他人の動画をそのまま載せ直す。複数の記事を短くまとめる。予約ツールなどを使って自動で投稿する。Xでは、こうした投稿が表示されても、新しいクリエイター報酬の対象から外れる場合がある。

Xは2026年9月8日、旧制度に代わる「Original Content Rewards」の申請を既存参加者へ順次開いた。新制度が数えるのは、有料会員のホーム画面で半分以上見えた独自投稿の表示だ。Xが変えたのは参加条件だけではない。媒体が報酬で増やしたい投稿の作り方である。

用語メモ

  • Original Content Rewards:Xが独自性のある投稿へ報酬を払う新制度。旧Creator Revenue Sharingを引き継ぐ。
  • 対象となる表示:Xの有料会員がホーム画面で投稿の半分以上を見た、重複のない表示。
  • ホーム画面:Xを開いたときに、おすすめ投稿やフォロー中の投稿が並ぶ場所。
  • コミュニティノート:利用者が投稿へ背景情報を補い、評価によって表示される注釈。

XのOriginal Content Rewardsは何を数えるのか

直接の答えは、独自投稿が有料会員のホーム画面で見られた回数である。Xの公式ヘルプは、投稿の少なくとも50%が画面に出た表示だけを対象にする。同じ人が同じ投稿を再び見た分、広告で買った表示、人為的または不正な表示は除く。

参加するには、18歳以上で対象国に住み、X Premiumなどへ加入する必要がある。直近90日で、認証済み利用者によるホーム画面の表示が50万回以上あり、認証済みフォロワーも500人以上必要だ。返信についた表示は、この50万回に入らない。条件を満たしても参加が保証されるわけではない。

終了した旧制度は、直近3か月の自然な表示を500万回求めていた。新制度の数字は10分の1になった。ただし、数える場所と人がホーム画面の認証済み利用者へ狭まったため、参加しやすくなったとは断定できない。

旧制度の説明は、会話や反応を生む投稿を評価し、形式や見る人によって報酬が変わるとしていた。新制度では、見る場所と独自性の条件がより具体的になった。企業のSNS担当者も、返信数だけでなく、ホーム画面へ届く自社ならではの情報を考える必要がある。

Xが公開した表示順位の重みは、いいねや返信が投稿の届き方へどう影響するかを示した。今回の制度は、その先でXがどの表示にお金を払うかを決める。表示順位と報酬は、似ているが別の判断である。

Xの「オリジナル」は著作権の合格判定ではない

Xが報酬の対象とするのは、自分で書き、撮り、作り、本人の視点や知識が表れた投稿である。ニュースへの解説も、本人の見方や追加情報があれば対象になり得る。一方、丸ごとのコピー、少しだけ変えた投稿、他人の素材の寄せ集め、他サービスからの無断転載は対象外だ。

ここには大切な線引きがある。Xは、報酬制度の「オリジナル」と知的財産の規則は別だと明記する。自分の解説を加えて報酬対象になっても、使った写真や動画の許可がなければ、著作権を侵害する可能性は残る。制作物を公開するときの許可と、Xから報酬を得られるかは別々に確かめなければならない。

さらにXは、自動で作成または投稿したコンテンツや、「役に立った」と評価されたコミュニティノートが付く投稿も対象外に挙げた。誤情報や誤解を招く内容も同様である。ただし、自動投稿が予約投稿ツールのどこまでを含むかは説明していない。投稿形式ごとの単価や報酬総額も未公表だ。

企業とクリエイターが見直す3つの学び

1. 届いた数と、報酬になる数を分ける

投稿の総表示が多くても、同じ人の重複、返信欄、広告で買った表示は新制度の数字に入らない。報告では総表示だけを見せず、ホーム画面で認証済み利用者へ届いた表示を分ける。目的が認知か、会話か、収益かによって見る数字も変えるべきだ。

2. 自分の視点と、素材を使う許可を別に確認する

他人のニュースへ独自の分析を足すことは、Xではオリジナルと認められ得る。しかし、画像や映像を使う権利まで自動で得られるわけではない。投稿前に「何を自分が加えたか」と「他人の素材を使えるか」を二つの欄で確認したい。

3. 自動化する前に、対象外になる工程を切り分ける

Xは自動で作った投稿と自動投稿を対象外にしたが、具体的な範囲は示していない。予約、文章生成、配信、効果集計を一つにせず、どこで人が内容と権利を確認するかを決める。公式説明が増えるまでは、収益を前提に全面自動化しない判断が安全である。

Sources / 参考資料