YouTubeは2026年9月23日、クリエイターのブランド提携機能を発表した。中心は、公開済みの長尺動画へ提供部分を後から入れ、外し、替える「Dynamic Brand Segments」である。本編を作り直さず、最大20本へ同時に挿入できる。動画は公開時に売り切る作品から、公開後も提供枠を運用する資産へ変わり始めた。
用語メモ
- Dynamic Brand Segments:別動画のスポンサー部分を、長尺動画の途中へ差し替える招待制の実証機能。
- 長尺動画:この機能では8分以上で、広告収益化と途中広告を有効にしたYouTube動画。
- Brand Partner Access:クリエイターが広告主へ、提携動画の計測や広告配信に必要な権限を渡す仕組み。
本編を変えず、30秒から3分の提供部分だけを替える
提供部分は30秒から3分の限定公開動画として、元の長尺動画とは別に登録する。クリエイターは途中広告の位置か、指定した位置へ挿入できる。2026年の招待制実証では、一つの提供部分を最大20本へ設定し、世界全体か特定の国だけで流せる。
広告主がGoogle Ads上で受け入れた後、YouTubeも通常24時間以内を目安に審査する。本編と提供部分の計測は分かれる。広告主が見られるのは提供部分の実績であり、本編全体の分析と収益は共有されない。外したり替えたりしても、本編の再生実績は残る。
ただし、誰でも使える完成機能ではない。参加にはYouTubeパートナープログラムへの加入と招待が要る。実証中はスマートフォンのアプリとテレビ画面が中心で、パソコンやスマートフォンのブラウザ対応は段階的である。
動画は作品の本体と、契約で替わる層に分かれた
2025年9月、YouTubeは提供部分を本編へ固定する方法から、交換できる枠へ移す構想を示した。契約が終われば外し、別のブランドへ売り直し、将来は国ごとに違う提供を流す考えだった。1年後の今回、その構想は小規模な実証へ進み、20本への一括設定と国別配信まで具体化した。
変わるのは広告の置き方だけではない。YouTubeが映画祭と自社配信をつないだ事例では、同じ作品の公開場所を分けた。今回は、一つの公開済み動画の中で、長く残す本編と、期間や地域で替える提供部分を分ける。TikTok動画を街の画面へ運ぶ仕組みとも同じく、コンテンツと利用条件を別々に管理する動きである。
一方、機能が契約を代行するわけではない。YouTubeは、広告主との利用権の合意を当事者が別に結ぶよう求める。視聴者へは有料プロモーションの表示も付く。差し替えが簡単になるほど、期間、国、二次利用、終了後の扱いを先に決める必要がある。
クリエイターとブランドが持ち帰る3つの学び
1. 動画の寿命と、提供契約の期間を分ける
何年も見られる解説へ、数週間の提供を焼き付ける必要はない。本編は長く残し、提供部分は契約に合わせて替える。企画時に、変えない内容と、後から更新する枠を分けておきたい。
2. 計測は、必要な部分だけ共有する
本機能は提供部分と本編を別に測り、広告主へ本編全体の収益を渡さない。ブランド側も、成果確認に必要な視聴、期間、対象国を決め、チャンネル全体の情報まで求めない設計ができる。
3. 差し替え機能より先に、利用条件を決める
広告主は承認後に配信と計測ができるが、契約そのものは当事者間に残る。いつまで、どの国で、どの動画へ出すか。終了時に外すか、別用途へ使えるか。技術で替えられる範囲を、合意で先に囲う必要がある。
Sources / 参考資料
YouTube Help「Add dynamic brand segments to your YouTube videos」
YouTube「New ways for creators to earn more with brand partnerships」(2025年9月16日)
YouTube Help「Sharing brand partner access to your video」
YouTube Help「Get started with YouTube Creator Partnerships」
